どうもこんにちは!映研美術部部長でキネカルト編集長のフジサワです!長い自粛期間中は「仮面ライダーBLACK」と「小林さんちのメイドラゴン」、「かげきしょうじょ!!」に「夜叉ヶ池」と映像作品に助けられる毎日を送っていました。
さて、今回は美術部部長として筆をとらせていただきます。意外と軽視されがちな「美術」というセクションにおいて大事なことは何か。今回はそのお話ですが、全然堅くならないので軽く読んでくだされば、幸いです。それでは、レッスン、スタート!
レッスン1 「美術」をやりたいことをアピールする
たいてい美術の募集は突然始まります。ある人が「映画をやるぞ~」と旗を揚げるときにセクションごとに募集をかけることがほとんどなので、機会があれば、すかさず手を挙げましょう。
(実は美術としては2つの部類に分けられる。「そんなこと判ってるよ。大道具と小道具でしょ?」と思っている、そこの君!そんな器用に区別できるほどの機動力が自主映画をつくっている学生にあると思っているのか!甘い、甘いぞ!!正解は「つくる人」と「集める人」だ。僕は前者で、多くの監督は後者を求める。つまり、脚本を読んで、いざ応募しても自分の意に介さない仕事をやらされることも多々あるということだ。ゆえに、参加しても自分のやりたいことと、監督のやりたいこととの確認作業がある程度必要になる)
レッスン2 美術の仕事の割り振りを確認する
たいてい美術は2人~3人ぐらいでやることがほとんどです。これは美術の仕事の質が作品の画面デティールそのものを左右しかねないため、その仕事量は膨大になりかねません。そこである程度人数を確保して作業の分担を行うことで効率化を図るわけです。その際は任されたことだけ、監督の世界観に合うように調整しながら、全力に取り組みましょう。
僕が初めて参加した某作品での話になる。ある日の会議の時、監督が「学生がデモで使うプラカードを出したいんだけどさ~」という話になり、二つ返事でやることにした。
時は三島由紀夫の何回忌かで、監督もその影響を受けてのことかなと思い、「じゃあ、真剣につくらなければいけないな!」と思いながら、構想を練った。
そして製作日、僕は部室にあった工事用ヘルメットをこっそり拝借し、作業場で意気揚々と作業を始めた。
昔から格好から役に入る人間がいるが、今はその気持ちが分かる。たぶんスーツアクターもこの方法で演じ分けをしているに違いない。少なくとも今は、美術部長のフジサワではない。世間に何かを熱烈に伝えたい「デモ隊リーダー」だ。半紙の上を走る筆が言葉をたたき込んでいく。デモ隊リーダーの主張が刻まれた半紙が一枚、床に落ちていくごとに僕は否、オレは「デモ隊リーダー」になっていくような錯覚に陥り、高笑いまでし始める始末。
その異変に気づいた監督が、オレにこっそり近づき、出来上がったものを見てため息。
そして、一言。
「いや~、良く書けてるけどさ~なんか違うんだよね~」
「(えっ?!)」
その瞬間に我に返ると同時に何かが崩れ去ろうとしている僕。
「そういう旧時代的な感じじゃなくて、もうちょっと近未来的な感じでやって欲しいんだよ。こんな風に。」
監督は自分でもつくったのであろう、プラカードを僕に見せた。それは、筆やペンではなく、テープを細切りにして文字にしている、まさに今風なものだった。
「(そ、そうか・・・・・・監督が思っていたデモ隊ってこんな感じの、オシャレっぽいやつだったのか)」
監督の思わぬ一撃と、自分のイメージと監督のヴィジョンのズレを痛感した僕は完全に灰と化したのだった。
つづく
追伸、その姿を見た監督がその熱量には感服したと言わんばかりに、僕をデモ隊リーダーに任命してくれましたとさ。めでたし、めでたし。
(Qちゃんの続きはどうした、とか「キネカルト」はどうしたとかの声が聞こえるような気が・・・・・・幻聴か?)
機会があればまた書こうと思うので、その時はよろしくお願いします。
それでは、また。
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