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執筆者の写真早大 映研

映画製作の本質と個人の活動について

こんにちは、早大映研に今年の夏から入った増尾思乃です。今回は新入生の話として、私が映研に入った理由及び映画への思い、映研でしている活動について書いていこうと思います。




まず映研に入った理由は映画を作りたかったからです。私の通う日本女子大学の映画関連のサークルは映画研究がメインであり映画を作るタイプの活動をしていなかったので、大学が近く映画製作をしているサークルを探したところ見つかった早大映研に入りました。多分インカレ生でもとっても入りやすいとかいう話は他の誰かがしているはずなので、そもそもなぜ私が映画を作りたいと思ったのかという映研に入った理由の大事なところに話を移します。 


私は英文学科で授業を受ける中でアメリカの大衆文化に対して興味を持ち、それを深く知るためのツールとして映画に目を付け、そこから映画を作る過程に興味を持ちました。映画を作るというのは私にとって、思想を発信する意味を持ちます。もちろん、映画とは映像であることで文字を読む事を強制しない娯楽として人を楽しませることができるものです。純粋にただ見ていて迫力がある作品を楽しむことができるのが映像の長所でしょう。しかし私が思うのは、小説や漫画と同じく言葉を使って表現し思いを伝える事ができるという点も大きいという事です。見ていて楽しい、面白い作品は人を楽しませるという目的を達成することができるのですが、それとは全く別の、思想の発信ツールという視点からみた映画は小説や漫画よりも多くの人に発信できるものです。つまり、映画を作る事で私は自分の考えたこと、感じたことを共有していくために映研に入ったということです。


映画が発信した思想を人がどうやって受け取っているのかという事についてですが、映画は公開する前からの商業との連携、アクションなど派手なシーンのエンターテイメント性の高さは人々を映画館へと誘導します。そうして映画をたくさんの人が見ると、見た人たちは映画の中に描写された「良いもの」「悪いもの」を意識の底で共有することになります。その共有された意識は時間をかけて社会の流れる方向を操作するのです。しかし新しい流れを作るのではなくその時代に合わせたものを打ち出すことで、映画は社会に影響を及ぼします。マーケティング要素が強く絡むほどこの影響は大きく社会に反映されます。日本の最近の例で言えば鬼滅などでしょうか?かの作品に最初に描かれた家族愛はあくまでもマーケティングに必要な「普遍的な価値観」であり、既にあったが広く普及していない「新たな価値観」の一つとして女性の強さを描けるところは時代に合ってはいるのではないかと思います。しかし男なら強くあらねばという考え方を掘り返してくるのは個人的にはその狙いによってはやめてほしい事です。兎に角もあれも元は漫画でそれがアニメになった途端にブームが盛り上がった部分があるので、とりあえずやはり映像になるということの「影響力」が凄いということの納得がいくのではないでしょうか。あらゆる場所で鬼滅関連のグッズやキャンペーンがある事を見ればご理解いただけるかと思います。


さて、そんな事をいう私ですが映研でどんな活動をしているかというお話に移ろうと思います。夏の間に入部してから、私は一つの映画製作企画をはじめました。タイトルは「十一色目のパラノイア」と言います。大まかなストーリーとしては、優しいが明るい性格ではない男性が、生きる理由を見失い、親を失い鬱になったところで一人の青年に出会い、生きる理由を獲得するというものです。シンプルにまとめたようにも見えますが、ストーリーを青年目線にすると少し気味の悪い感じもするようにしました。この企画を進めるにあたり、まずは脚本を書かなければならず、脚本を書くために自分が何を言いたいのかをはっきりさせる必要がありました。結果として書いたのは生きる理由とは愛あるものと言うことなのですが、これをストーリーに起こし脚本の形にするのは何気に大変な作業でした。


その脚本をもって今度はスタッフとキャストを集めなければならないのですが、こちらは案外とすんなり協力してくれる方が集まり、仲間がいるっていいな…という、私は中高とそもそもインスタなどのSNSをしていないのですが、中学生や高校生が青春を通してインスタのストーリーにあげていそうなことを思いました。サークルの内外から集まってくれた協力者の中には社会人の方もいらっしゃいました。音楽制作をしてくださることになったのは何と音大卒の方で、短いメロディーにも音の交わりの美しさがあふれる素敵な曲を作ってくださいました。またサークル内から沢山の人が企画に参加してくださり企画を進める気力をいただきました。このような機会が持てる映研に入ってよかったと感じます。


稚拙な文章ですが読んでくださりありがとうございました。


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