その時、その男の言っている意味を理解できませんでした……。
というわけで、皆さん! 今週もやって参りました! インカレ映研美術部の藤澤が先週に引き続きお送りいたしますよ~。今週のお話は、僕が自主製作の映画で初めて美術として参加させていただいた時の話です。「恥ずかし、恥ずかし」 と僕の指が照れておりますが、書かせてもらいやしょう!
皆さんは「究極超人あ~る」という漫画をご存知だろうか? 80年代にゆうきまさみ先生が「週刊少年サンデー」連載していたギャグコメディ作品なのだが、その主人公そっくりな男がある日「映画やるから、美術やりたい人、募集~」と言った。 その男は、高名な映画サークルの静かなる首領であり、理系であり、そして元気なアホ毛を恥ずかし気もなく揺らす、天才だった!(「アオイホノオ」調で読んでね)
そのRくんの作品に以前から興味があった僕は、その募集を見るやいなや、すぐに挙手し、その一分後に始まる会議(?!)にも飛び入りで参加することとなった。
スタッフの台本の読み合わせが始まり、Rくんの解説とともにさらっと一読はしてある台本を改めて読んでみる。すると僕の解釈とはだいぶ異なっていることに気付き、「ふっ、なるほど……、さっぱりわからーん!!」と一介の文系学生には到底理解できないであろう世界観の存在を知ることになった。そして思考回路がショート寸前の僕のパニックに拍車を掛けるがごとく、その男は台本に対する感想を一人一人に聞き始めやがった!これはピンチだ!!
始めて本格的に参加するはずの作品ののっけから焦る僕は頭の中の引き出しを全開にして、その質問から逃れるための「逃走カード」を探していた。しかし、奴は首領だ。「逃走」を図ろうとも、「しかしまわりを囲まれてしまった」となるに違いない。「万策つきた~!」とどこぞのアニメの登場人物のように、叫びそうになったその時、一人の漫画キャラの顔が浮かんだ。
そのキャラクターはその出来事の先週、再読したばかりの竹宮恵子先生の名作、「地球…」の主人公、ソルジャー・ブルーだった。確か、「監督はマイノリティーの話を描きたい」とか言ってたし……そうかこれは「ミュウとして覚醒したソルジャーがフィシスと出会うお話なのだ」ととっさに思いついた刹那、奴が僕に「藤澤くんはどう?」と訊いてきた。ぶっつけ本番、やるっきゃない! 出たとこ勝負の大舞台!
「そうだね~。読んでてRくんが見えたし、バディモノとしてかなりいい話だと思ったよ~(冷や汗)」
さぁ、どうだ、僕の勧進帳はまかり通るのか……?
「ふーん、なるほどね……確かにそんなつもりで書いてたかな」
よし、なんとかなった! しかし、「なるほどね」がなぜ斜め上目線?!
そんなRくんとの激闘(?)の日々はまだ始まったばかりだった……。
つづく
今週のエンディングは影山ヒロノブさんの「こころはタマゴ」を聞きながら、お別れです。それでは次の機会にお会いしましょう。
おやすみ、Bye-Bye。
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